日常生活の中で病気の要因を減らすために用いられる食事療法について詳しく見ていきましょう。
健康を維持するためには、栄養、運動、休養などの要素がカギになります。その中でも、食事によって摂取する栄養は身体の機能や組織に影響し、生命活動の源になる重要な要素です。食事の内容に偏りがあれば、糖尿病、高血圧症、痛風などを引き起こす原因になります。循環器疾患において、動脈硬化によって引き起こされる病気はいくつかの危険因子が重なることで発症します。これらの危険因子を減らすためには、病気を引き起こす要因を除去しなければならず、その際に食事療法が役立ちます。
人間は、日頃から栄養バランスの整った食事を摂取することで健康を維持できます。また、身体の状態に応じて制限を加えることで、間接的な疾病の改善や状態の悪化を防げます。薬物療法と組み合わせることでより大きな効果を発揮する食事療法は、多くの医療現場で採用されています。
食事療法はあらゆる病気を「入り口で止める」効果があります。健康診断で血圧などの数値が要注意となった場合、その時点で病気の入り口に立っている状態といえます。まだ病名はないものの、このままでは病気になるという段階です。しかし、そこから食事療法に取り組めば状態は改善されます。
また、すでに病気と診断された場合でも、食事療法を様々な治療法と組み合わせることで状態の悪化を防げます。食事の改善が必要と判断された際は、具体的な食事内容や調理方法について指導を行い、食事療法を進めることになります。
食事療法を行うためには病気と食事の知識が必要になります。無理なく続けるためには、可能な限りストレスを少なくしなければなりません。そのため、食事療法を行う際は楽しむ姿勢が求められます。制限だらけの退屈な食事ではなく、正しい知識を基にした適切かつ満足感のある食事を用意します。調理や味付けを工夫し、食卓を豊かにすることで食事療法を継続できます。
現代人は忙しく、外食に頼る機会も多いです。ただし、外食であっても食事療法は可能です。組み合わせや分量に配慮すれば問題ありません。低カロリーの食事が求められますが、カロリーの高いメニューしかない場合は、残すことも選択肢の1つです。調理をする習慣のない人は、食事への理解を深めるきっかけになります。食事療法を通じて調理を楽しむことで、健康な状態を維持できます。
以下に、食事療法を学ぶ際に役立つ書籍を紹介します。どの診療科でも役立つ内容となっているので、興味のある人は参考にしてください。