代替医療事情「日本編」

これからの医療は「代替医療」がカギになる!

QOLを向上させる「代替医療」とは
top middle bottom MENU

日本における統合医療の現状

日本における、代替医療を取り入れた統合医療の現状を見ていきましょう。

日本における統合医療の現状

科学的知見について

厚生労働科学研究「統合医療の情報発信等の在り方に関する調査研究」において、2008年から2011年の4年間で報告された代替療法に関するレビューを基に、主な療法の数や有効性についての分析が行われました。これによると、鍼療法などの数件については「効果あり」と判断されましたが、その他大多数に関しては「未確定」となっています。なお、この分析結果は保健医療に関する世界中の臨床研究についてシステマティック・レビューを行う国際機関、「コクランライブラリー」に報告されたものです。ランダム化比較試験関連では世界最大規模で、信頼度の高いデータといえます。
このように、代替医療は科学的知見があまり得られない傾向にあります。これは、代替医療は個人の反応が異なるため、ランダム化比較試験が実施できず、評価が難しいことが主な理由として挙げられます。しかし、近年は代替医療に関するランダム化比較試験の論文は増加傾向にあります。例えば、日本では漢方に関する大規模臨床試験が進められており、作用機序についても明らかになっています。また、ベストケースの評価やfMRI(磁気共鳴機能画像法)、プロテオーム解析、生体指標などの新技術により、これまでよりも作用機序の解明が進められていくことが予想されます。今後、統合医療に関する科学的知見が充実し、効果が認められるようになれば、需要はさらに伸びていくでしょう。

国内の利用状況

一般人を対象にした代替医療の利用状況に関する調査によると、「利用したことがない」という回答が最も多くありました。「利用したことがあり、現在も利用することがある」と回答があった中で、特に多いのは「サプリメント・健康食品」です。また、「マッサージ」「整体」を利用している人の割合も高いようです。「以前利用したが、現在は止めた」と回答したケースで、その理由として多いのは「効果が感じられない」「利用できる場所が近くにない」「お金がかかる」といったものです。
代替医療に対するイメージは療法によって異なりますが、特に理解が広まっているものとしては「マッサージ」「漢方」「サプリメント」などが挙げられます。逆に、「ホメオパシー」や「温熱療法」については理解が広まっていない傾向にあります。代替医療を利用する際に参考とする情報については「価格」が最も多く、必ずしもエビデンスに関する情報が最優先されるわけではないようです。