代替医療は科学的知見が不十分であるため、日本ではそこまで浸透していない状況です。しかし、今後は技術の進化によって作用機序の解明が進められていくことが予想され、それに伴い需要も伸びていくでしょう。なお、日本では代替医療の利用を検討する際、必ずしもエビデンスに関する情報が最優先されるわけではないようです。海外では、先進国を中心に代替医療に関する取り組みが積極的に行われており、多くの医療機関で使用されています。
「統合医療の情報発信等の在り方に関する調査研究」によると、2008年から2011年の4年間で報告されたレビューを基に分析を行った結果、数件の代替医療については「効果あり」と判断されたものの、その他大多数は「未確定」となっています。現状は科学的知見が得られていない傾向にありますが、今後は新技術によって作用機序の解明が進められていくことが予想されます。利用状況については、「サプリメント・健康食品」「マッサージ」「整体」を利用している人が多いようです。
アメリカでは代替医療に対するネガティブなイメージが薄い傾向にあります。事実、がん治療をしている患者の75%以上は代替医療を取り入れています。イギリスやドイツも代替医療に関する研究を積極的に行っています。また、ノルウェー、フィンランド、デンマークなどの高福祉医療国でも、国家的プロジェクトとして代替医療の導入が進んでいる状況です。日本に近い中国や韓国では、国立の統合医療センターを建設した上で統合医療の産業化を目指しています。